気象予報士9日目 一般知識6章-3
6章の続きで今日はエマグラムの勉強をしています。
まず、
温位
と
相当温位
の概念から勉強しましょう。
温位とは、ある気圧面にある空気を乾燥断熱減率で1000hPa(地上ということですね)に持ってきたときの温度を言います。
例えば、高度1000m地点で10℃の気体と3000mで-10℃の気体を比較してみましょう。
この2つの空気はお互いに気圧面が異なるので単純に比較できません。
そこで1000hPaという同じ土俵に持ってきて比較するんですね。
乾燥断熱減率を1.0℃/100mとすると、
前者の1000mで10℃の気体は地上(1000hPa)で約20℃
後者の3000mで0℃の気体は地上(1000hPa)で約30℃
と、後者の方が潜在的に温かさを秘めていると取ることが出来ます。
これが分かると何が嬉しいかというと、
温位で大気の安定性や逆転層の存在
が分かります。
実際にどのように大気の安定性を判定するかというと、
大気の温位が高度とともに上昇 → 安定
大気の温位が高度で変化しない → 中立
大気の温位が高度とともに減少 → 不安定
以上のようになります。
次に相当温位です。
これは水蒸気を考慮できる素晴らしい概念です。
水蒸気を含むという事は飽和して凝結するときにエネルギーを放出します。
エネルギーが放出されると、空気はそのエネルギーを基に相対的に飽和しない空気に比べて暖かくなりますね。
この水蒸気の持つエネルギー分を考慮したのが相当温位です。
具体的にはある高度にある空気塊を、水蒸気を完全に失うまで上昇させます。
失ったところから乾燥断熱減率で1000hPaまで戻すと、なんと温位に比べて相当温位が大きくなります。
必ず、相当温位の方が温位以上の温度になります。
これで何が嬉しいかというと、梅雨時期の前線の解析が出来ます。
普通前線は当温度線や等圧線で判定しますが、梅雨の時期の停滞前線は同じような温度で気圧も前線の前後で大きく違わず、それでは位置の判定が困難です。
そこで相当温位図を用いることで、等相当温位線が込み合っているところに前線が存在すると理解できます。
次にエマグラムです。
エマグラムとは↓のような図です。
これは予報のエマグラムですが、青が実際の露点温度、赤が実際の気温、背景に右肩下がりでのびるオレンジの線が乾燥断熱減率、緑の線が湿潤断熱減率を表します。緑の葉選は等飽和混合比線です。
これを見ると、一目でその大気が絶対安定か条件付き不安定か、それとも絶対不安定なのかが分かります。
さらに各高度の湿度や風向風速、逆転層、などもわかってしまいます。
グライダーパイロットには欠かせないですね。
3日間も引張りましたがこれで6章は終了です。
最近勉強の進度がブログよりかなり先に行ってしまい、ブログを書くことが復習みたくなってる(笑)